4両のこと

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 たくさんこむわけではないけれども、4両であると6両よりかはおなじのりこむひとならば、こむことになる。まあ、それにしたってさほどこむわけではない。それでも4両編成がくるとがっかりとはいわないまでも、すこしきもちがおちつかなくなる。いぜん書いたのかもしれないが、4両のこととなると、新馬場である。ホームにおりたら、はしっこどうしにしか改札がないため、さらに下りの4両編成であると、1両目、とくに4両目にひとがそれほどではないがおおくのりこんでいるし、4両編成であるため、新馬場からのりこんでくるひともまたそういうことになる。ということでも、4両はそれほどでもないけれど、ひとがのっている。  その、さほどこむわけではない、上りの4両にのって、京急の品川でおりて、ほんの小用、10分、20分、用を足して、2番ホームから1番ホームにきてみると、ちょうど電車のはいってくる、いつものメロディがながれていて、いきさき等のいつもの電光掲示板を見あげると、「また、4両か」と心でつぶやき、いつもならんでいるところから、のってみると、「や、きたときと、おなじ、車両、ではないか」とおもってみたりすることもあり、それも、神奈川新町いきであったりもするが、そうではないいきさきの4両のときもあったりするから、おもしろい。まあ、いずれにしても、心のなかで、「この4両、このみじかいあいだ(あの待避所みたいなところで)、しばし休憩していたのか」とまたつぶやいてみたりもする。  また、平日の夜、はやめに帰ってきたりすると、京急品川1番ホームにて、くろわくの普通の列でまっていると、さらなるものにであったりするから、おもしろい。わたしののる普通のまえに、三崎口ゆきの12両編成の快特が入線するのであるけれども、まずは浅草線からやってくる、8両がきて、ホームの進路方向まえのほうにとまり、あとから、待避線からだれものっていない金沢文庫どまりの4両もきて、連結するはこびとなる。ぼんやりしている手をやすめ、8両と4両の連結をまじまじと見たいがために、いつもならんでいる列から、ちょうど連結のまぢかに見える列にならびかえようか、とおもってみたりもするも、しないで、その連結の光景をたたずんでながめたりする。連結作業もとどこおりなくすませ、保線マンたちはさいご、指さし確認をおえると、あけられた扉はすぐにもしめられ、快特12両はすべるようにして出発する。するとまたいつものメロディがながれ、普通が入線してくる。いつもよりみじかい。電光掲示板を見ていないので、わからず、というよりかは、快特の4両の連結のくっつくのを夢中で見ていたために、わたしののる普通が4両であったりする。それほどではないが、こんでいる。4両なので、ふと、神奈川新町いきかな、とおもったけど、そうでもない。そういうときもある。  4両はときどきくる。
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