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「わー、こんなところで珍しい!」
しまったいつもの変装用メガネしてないなんて考えていたら
「観光ですか?」
「はい・・・」
そこで会話は途切れた。
女性はにこっと笑いながら隣の席に座り、パソコンをカバンから取り出し作業を始めた。
あれ?気づかれてない?なんて考えながらコーヒーを飲んだ。
列車の出発時間が近づいたので立ち上がった。
すると隣の女性も同時に立ち上がった。お互い目が合い
「あれ?もしかして4時発のパリ行き?」
「はい、そうです」
「同じね」
女性は微笑んで茶色のローヒールを鳴らしながら先に出て行った。
列車が来ていたので自分の車両と席を探し座った。偶然は重なる。その女性も同じ車両で2、3列斜め後ろに座っていた。通路側の席だったので窓側の席に自分の荷物を置いたとき
仏「そこ、ヒック、俺の席、ヒック・・・」
酒酔いした大柄の男が近づいてきた。
慌てて荷物を退かせて立ち上がり奥の席へ通した。
車両は結構空いているのに俺の隣なんだと思いながら座った。なんだか嫌な予感がする。
案の定酒酔い男は絡んできた。
仏「にいちゃん、日本人か中国人か?観光か?俺いいとこ知ってるぞ」
どうしたものかと困っていると通路に人影が近づいてきて
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