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彼女が戻ってきて
「ごめん仕事しなくちゃ。隣でパソコン使ってても大丈夫?」
「もちろんです。僕もひと眠りしますので」
そう言ってお互いそれぞれ自分の時間を過ごした。
「もうすぐ着くよ」
優しく揺さぶられ起こされた。
「あ、はい、ありがとうございます」
「パリではどこに泊まってるの?」
「La Reserve Paris です」
「私の会社の近くだ。いいところ泊まってるね~ そこの裏通りにNo.2(スゴン)ていうお店があるの。そこのムール貝のワイン蒸しが美味しいの。他のお店のと何かが違うのよね」
とよだれが出そうな顔で勧めてくれた。
「じゃあ今晩にでも行ってみます」
間もなく列車がホームに入る。
「色々ありがとうございました」
「いえいえお互い様だから。ここからは一人で大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
これ以上子供?学生?扱いをされたくなかった。
「気をつけてね、財布とパスポート!じゃ Von voyage」
そう微笑みながら去って行った。
ホテルにチェックインした時はもう6時を過ぎていた。疲れてしばらくベッドに仰向けで目をつむり今日の出来事を思い出していた。
なんとなく樹里さんと過ごした時間を遡る。
なんか充電できた感じだった。
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