カイトサイド 2

10/16
前へ
/229ページ
次へ
「あ、カイト君!来てくれたんだ!」 「はい、昨日も来てこのムール貝マジで美味しくて、今日も来ちゃいました」 「1人?」 「はい」 「ご一緒していい?」 「もちろん」 奥のテーブルから男の人の声が聞こえた。 仏「おーい樹里!こっちだぞー!」 仏「今日はこっちで飲むから勝手にやっといてー」 「会社の同僚。お酒が入ると声が大きくなるからだんだん頭痛くなっちゃうのよねー」 と言って駆けつけ一杯ビールを飲んだ。 「え?ワインじゃないんですか?」 「皆んなが皆んないつもワイン飲んでる訳じゃないのよ。て、私も来たての頃は同じ事思ったけど」 と笑いながらビールを飲み干した。 「じゃあ次はワインにする」 そう言ってワインといつも注文する品を何品か追加した。 そこからは樹里さんの昔話や会社の話や家族の話を聞いた。腹の探り合いをせずにこんなにも楽しく飲めたのはいつぶりだろう?樹里さんの話をずっと聞いていたかった。 飾ることもなく盛ることもなく自然のままの女性てこんなに魅力的なのか? 皆ほんとはこうなのか? 樹里さんだからそう見えるのか? 俺も少し酔ってきたようだった。 歳上とは思っていたが5つ上だった。 やはり弟のような扱いをされている気がして少し不満である。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加