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夜仕事をしていると携帯が鳴った。カイトだった。
「もしもし、樹里?今大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「オフィスも店も行ってないんでしょ?食べ物とかどうしてる?ちゃんと食べてる?」
「ふふ、大丈夫よ。ほとんどデリバリーしてもらってる」
「・・・その、危ない目に合ってない?」
「うん、外出てないし、大丈夫」
「あなたの仕事の方こそ大丈夫?スポンサーとか降りたりされてない?」
「今のところはね。・・・今日ポールと木崎さんとオンラインミーティングした」
「ええ、聞いたわ。うちのモデル契約を継続してくれると聞いた。木崎さんがよく許してくれたわね」
「まあ2人で説得した感じだね(笑)」
「2人?ポールも?」
「ああ、彼には本当に感謝する」
「ありがとう。ポールにも伝えておくわ」
お互い”会いたい”のにその言葉は口にしない。今はできない。これが大人。悲しいけど。彼の仕事に携わる人が多すぎるが故自由に動けない。わかっていたはず。
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