樹里サイド 11

7/9
381人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
「そっか、あかりさんの観察力もすごいね。勉強させてもらうわ」 「私は素敵なお二人だと思いますよ。カイトさんも噂ベースではいつも週刊誌とか取り上げられてたけど、きっとだいたい女の方が勝手な噂流すんですよ。って私の勝手な想像ですけど。全然箸にも棒にもかからない感じで、ああまたかって。でも今回の記事見て、あーなんかしっくり!って感じで私も嬉しくって」 「あの、あかりさん、今お店でしょ?そんなに話てて大丈夫?話はまた今度ゆっくりしましょ」 彼女は話し出すと長いのが少々難癖である。みんなにも気を使わせて悪いな。巻き込んでしまい本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 お昼になったので少し休憩し、週刊誌以降見ないようにしていたが久々にテレビをつけてみた。ワイドショーでカイトの顔のアップがいきなり表れた。 ゴホッ、お茶を吹き出しそうになる。 テレビに映し出されたカイト。つい先日私の隣にいたカイトが映画公開イベントの舞台挨拶をしている。本当に同じ人物なのかと現実感がない。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!