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「大丈夫ですか?」
「本当に大丈夫だから」
タクシーが来そうなところまで歩き出す。狭い歩道で樹里さんの肩があたった。樹里さんが車道側を歩いていたから変わろうとした時、段差を踏み外した樹里さんが転けそうになった。
後ろから車が速いスピードで走って来た。
危ない!とっさに腕をつかみ歩道へ引き戻し車道と反対側の壁に押し付けるような形になった。
『ほんとに壁ドンてあるんだ』とクスっと笑い樹里さんを見る。左目下のホクロが母と同じだった。樹里さんは少しビックリした顔をしている。
そして思わず
「キスしていいですか?」
自分でもビックリした。
俺何言ってんの?そのあとさらに驚いた。
樹里さんの唇が俺の唇に触れた。軽く。
俺はもっと欲しがり樹里さんの口を塞いだ。
樹里さんも応えてくれた。
俺は樹里さんの頭を抱え腰に手を回し樹里さんの唇を攻めた。苦しそうにしていたが終われなかった。欲望が溢れ出てしまった。それでも樹里さんに引き離され
「殺す気?」
と叱られた。
俺はクスッと笑って腕をつかみ俺のホテルへ連れ去った。
エレベーターの中は無言でずっと手を繋いでいた。気が変わって逃げられないか不安でしょうがなかったが部屋までたどり着けた。
部屋に入り後ろから抱きしめた。
樹里さんの表情が見える正面からは怖かったからだ。
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