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カイトサイド 2
パリでの撮影が終わった。
2冊目の写真集を来年10月に出す。
前回は夏バージョンだったから今回は冬バージョンらしい。
俺がこの仕事を始めたのは20歳頃だが、写真集の意味があまり理解できなかった。
特定の一人だけの写真を載せた本をなぜ人は欲しがるのか。
だけど、城の写真集を買った時わかった。
そういう事か、いつでも何度でも好きな物の写真を見れるのが楽しいのだろう。
パリには4日ほど滞在している。今日で仕事が終わり、明日から城巡りだ。
「お疲れ様、ご飯でも行こうか。今日は僕たち最後の食事だ。何が食べたい?」
こちらでお世話になっているコーディネーターの松永さん。
駐在で住むようになりそのままパリ生活が気に入って、会社を辞め住み着いているらしい。
奥さんはパリジェンヌ、一度ご飯を一緒に食べたがとても穏やかそうな人で松永さんの事をとても愛しているようで羨ましかった。
俺の最後の彼女は何年前だっけ。
この仕事しだしてから女性が少し怖くなっていた。
裏表が激しかったり、満面の笑みで嘘をついたり、犯罪ギリギリの事をしてきたり。
俺への好意からと頭では理解しているが、心が拒否?壁?どこか防御をしている。
「そうですね、ワイン飲めたらどこでも」
「ふふ、そこら中で飲めるよ」
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