博士と不思議な道具たち

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 飛んできた博士に引っぱられ、慌てて手前のシャッターをおろすボタンを押す。おりていくシャッターとともに一斉に銃弾が降ってきた。飛び散る火花に声を上げる暇もなく二人と一匹は作業台の裏に隠れる。 「なな、なんで?!」 「話は後だ、カワウソ黒鍵キーをしっかり持っておけ!」  勇ましい博士に面食らいながら、助手くんは言われた通りうずくまる。鳴り止まない銃声、近づいてくる足音。助手くんはぎゅっと目をつぶる。博士はタイミングを見計らってボタンに手をかけ、すうっと息を大きく吸った。 「貝に!なりたい!」  博士の合言葉によって研究所はぺしゃんこに潰れた。もくもくと土埃が舞い、木々に止まっていた鳥たちは去り、森に砂柱がたつ。 「やったか?」 「待て、罠かもしれない」  研究所の外には、銃を構えた警察の特殊部隊がぐるりと研究所を囲んでいた。いや、警察の特殊部隊というのは表向きの顔、本当は日本の治安を守っていると勘違いしたテロリストの集団であり、警察とは関係ない組織なのだ。率いているのは先ほど研究所に尋ねてきた刑事さん。こちらは本物の刑事だけど、根っこから思想が怪しい男だった。 「隊長、指示を」 「……よし、行くぞ」  隊長と呼ばれた刑事さんは土埃で真っ黒だが、すっと片手をあげて潰れた研究所を調べ始めた。
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