虹色の恋

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誰だろう。誰かが言っていた。黒い渦のような物から聞こえてくる。恋愛なんて灰色のようなもんさ。なんの意味もない、ただのガラクタだよ。 まおはハッとして目が覚めた。顔にはやや汗をかいている。上半身を起こし横を見てみると、数学担当の先生が、やや怒り顔で立っていた。 「こら、夏草、授業中に居眠りとは、勇気あるな。」 そう言いながら、教師はまおの机を、チョークで2回コツコツと叩いた。なんとも言えない目覚めの悪い夢で、授業中とはいえ嗚咽しそうになった。
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