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入社当初から担当していた依頼人のマッチングが、また失敗してしまった。
3年間婚活を続け、マッチングが不成立になってしまった彼女は、パーテンションで区切られた相談スペースに顔を見せた。
ベリーショートの明るい茶髪。アウトドアブランドの営業職で、全国を飛び回る彼女はいつも溌剌と、周囲を明るく照らすようなオーラを放っている。
しかし、今はその雰囲気は見る影もない。
人が変わってしまったかのように落ち込んだ姿に、海李子は胸を痛めた。
早く彼女に相手を見つけなければ。担当アドバイザーとして、なんとしてでも力になりたい。次のマッチング候補を何人かリストアップし、彼女に声をかけた。
―――寺島さんに合う方はきっと居ます。諦めずにマッチングの条件をもう一度、一緒に見直しましょう。
海李子の言葉に、前向きな彼女は頷いてくれると思った。けれど、寺島は表情を硬くした。
―――倉持さん、私、27人目のマッチング不成立ですよ?
―――大丈夫です。当社の会員数は8万人を超え、まだまだ候補の方々はいっぱいおられます。今回はたまたま合わなかっただけです。次の方をーーー。
―――次、って、そんなに早く切り替えなんてできません。私が気に入る人はいつも違う人を選んで、いっつもタイプじゃない人ばかりから申し込まれて、断るのも申し込むのももう気力が……。
―――では、マッチングの条件を見直しましょう。
海李子は励ますつもりで、持っていたタブレットに寺島の条件を表示した。寺島は視線をそこには向けず、大きなため息を落とし、海李子をじろりと見た。
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