ep.2 その男、プライベート重視です(昏side)

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 急な展開に頭の整理ができないまま答えると、 「はい、深沢くん」  と、返事。  昏は、待って、と深呼吸をする。 「あのさ、倉持さん、言ってること分かってる? お酒の席で、しかも、僕ら同期として顔見知りだったけど、特に仲良くなかったし、挨拶するぐらいの仲だったよね。急にその、付き合うとか……」 「いえ、本格的なお付き合いではなく、疑似恋愛でお願いします」 「へ!?」  ロボ子の思考が分からない。 「……どういうこと?」 「……今日、依頼人(クライアント)に言われました。私のアドバイスは現実味(リアリティ)がないって。それは彼氏がいなくて経験がないから、と指摘を受けました。ごもっともな意見です」 「え、……つまり、その……、仕事の為に彼氏を作るってこと?」  こくりとロボ子が頷く。 「……僕が断ったら?」  恐る恐る聞く。 「えっと……、同期の方や顔見知りの方に順番に声をかけようと思っています」  順番!?  驚きのあまり、絶句する。
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