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急な展開に頭の整理ができないまま答えると、
「はい、深沢くん」
と、返事。
昏は、待って、と深呼吸をする。
「あのさ、倉持さん、言ってること分かってる? お酒の席で、しかも、僕ら同期として顔見知りだったけど、特に仲良くなかったし、挨拶するぐらいの仲だったよね。急にその、付き合うとか……」
「いえ、本格的なお付き合いではなく、疑似恋愛でお願いします」
「へ!?」
ロボ子の思考が分からない。
「……どういうこと?」
「……今日、依頼人に言われました。私のアドバイスは現実味がないって。それは彼氏がいなくて経験がないから、と指摘を受けました。ごもっともな意見です」
「え、……つまり、その……、仕事の為に彼氏を作るってこと?」
こくりとロボ子が頷く。
「……僕が断ったら?」
恐る恐る聞く。
「えっと……、同期の方や顔見知りの方に順番に声をかけようと思っています」
順番!?
驚きのあまり、絶句する。
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