ep.1 その女、ワーカーホリックです(海李子side)

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「それってセフレじゃないの?」 「だな」 「否定してよぉ……」 「男の場合、性欲と感情はイコールじゃない。……それが嫌なら、やめる?」 「やめ、な、い。……やめたく、ない」 「なら、いいよな」  ゆゆは、と低く甘い声に懐柔(かいじゅう)され、荻原(おぎはら)ゆゆはは紫崎一志(むらさきかずし)と唇を重ね合わせた。なまめかしい音を立て、ゆっくりと行為を深くする。二人の息遣いは徐々に荒くなり、脚と舌を絡ませ合う。  海李子はごくりと喉を鳴らし、覚悟を決める。  よし、今だ。 「ここはーーー、」  職場です。ラブホじゃありません。仕事をしてください。 「ふがっ!」  その指摘は、しなやかに鍛えられた腕に塞がれた。 「……ディープだねぇ。紫崎(むらさき)は元気だなぁ」  ふがふが言いながら、捕まった腕から逃れようと何とかもがく。けれど、ガッチリと捕獲されているため、簡単には外れない。しばらく抵抗し、なんとか取り戻せたのは口の自由だけだった。 「ふが、ふががが。ん〜〜〜っ、ぷはぁっ! もっお。やめて下さいっ!」
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