愉悦に溺れる

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仕事も忙しくて、恋愛だって上手くいかなくて なんならここ最近遠回しに親に彼氏は?なんて聞かれて結婚意識してるのバレバレだし…… もうっ……本当に色々上手くいかなすぎて泣くことくらい許して欲しい 私よりもゴツゴツしてて、骨ばってる紫月の肩に顔を埋めて泣けばそろそろと、少し遠慮しがちな手つきで頭を撫でてくれた その手が凄く大きくて、温かくて、安心して…… 涙を拭うことすらせずにただ目を細めて私とは違う温もりを感じていれば 「……沙和ちゃん、さ」 なんだかいつもとは違う声色で私の名前を呼ぶ紫月に「グス……なに?」鼻をかみながら答えれば少し間をあけて 「俺とセックス、してみる?」 それはもう、予想外に予想外すぎる言葉に一瞬耳を疑った 俺とセックス、してみる? 俺とセックス…… セックス…… 「セックス!!?!?」 「声でかっ…」 ……………はい?今…………、なんて?
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