魔王を探して三千里

三人の息子たち

2 国王ベルスの三人の息子たち

長男　　マベル王子　17才。
次男　　ムベル王子　16才。
三男　　モベル王子　15才。

三人は王の命令、魔王を十年間探し
出せという命令に対し、三者三様の反応を示した。

長男、マベル　「王の命令とあれば是非も無し、必ずしや魔王を探しだし十年後、王の元へと引きずり出してご覧にいれます」
　王は頼もしさを感じ、長男が求める兵士と馬、弓、槍などの戦に必要なものと食料を与えた。

次男、ムベル　「魔王なんかこの世にいないよ　それよりも他に楽しいことして十年間過ごしたいな。　十年後親父好みの女の子探しだしてここに連れてくるよ」
　王はニヤニヤしながらなるほど、それも良いと思いながら次男が求める莫大な金銀、財宝を与えた。

三男、モベル　「父上、私は怖くて外の世界に出たくありません。　どうかこの宮殿にこのまま十年間置いておいて下さい」　
　なんと情けない奴よ…。　王は激怒し三男を平民に身分を落とし、それでも数人の使用人と十分な賃金を持たせて宮殿より追い払った。

…………そして月日が流れ十年の歳月が流れた。

宮殿にはまだ誰も帰って来なかった。
代わりに二通の手紙が送られてきた。
それは長男マベルと次男ムベルからだった…。