誠の愛につきまして

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 誠の愛を受け入れてくれたおじいさんが、とてもとても愛おしくなりました。    それからは、この手に入れた誠の愛を手放さないために、できるだけおじいさんと一緒にいようと決心しました。夏休み。お母さまには、お勉強の合宿を友人といたしますとご連絡しました。  僕はずっと、おじいさんの家におりました。おじいさんと一緒に、寝台の中で誠の愛を感じておりました。  これは、誠の愛です。  おじいさんの耳元でささやきました。  誠の愛を伝えるために、太古から生物として肯定されている行為を行っているに過ぎないのです。  あなたを見つけました。  あなたに、誠の愛を表現しているだけなのです、と。  もう10歳にも満たない子供になったおじいさんは、腕の中で涙を流しておりました。  僕はそんなおじいさんをますますかわいらしいと思って、さらに愛撫いたしました。  おじいさんは「もういい、もういい」と、繰り返し首を振っておりました。震えておりました。
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