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おじいさんは、にっこりとしました。
「では、今から私の家に来なさい」
僕は公衆電話に走り、お母さまに伝えました。今から、人助けをいたしますので帰りは遅くなりますと。お母さまは喜んで承諾してくださいました。
おじいさんの家に入りました。
畳のお部屋に通されました。畳のお部屋はとても広く、その広い広い和室の中央に、天蓋付きの洋風の寝台がございました。大人が2人ほど横になってもお互い両腕を広げられるような、大きさでございました。
天蓋は薄い絹でできておりました。まるで、お母さまからよく聞いていた天使の羽のようでした。
枕も布団も白色で統一された寝台とよく合っておりました。
僕はあたりを見回しました。お部屋には、洋風の寝台以外、何もなかったのです。
ここで何をすればよいのでしょう。
たずねようと振り向いた瞬間でした。視界が暗くなったと思うと、唇にやわらかい感触が広がりました。
おじいさんは、口づけをしたのです。
そのまま、僕とおじいさんは寝台に崩れました。
おじいさんは、耳元で、ささやきました。
「私を、抱いてくれないか」と。
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