1 #G#バイト

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***  国総の宮崎先生が3年生の急用に対応するとかで、学活に変更された6時間目は、球技大会の練習をする時間になった。  担任教師から忙しない指示を受けた後、ばらばらと更衣室へ移動した2年A組の生徒たちは、体育館やグラウンドへと散っていった。  球技大会には四つの種目がある。バレーボール、バスケットボール、フットサル、テニス。  体育館へ行った橋崎は、前回の授業でチームが決まったばかりのバレーメンバーとぎこちなく話し合い、準備運動がてら少しだけ個人練習をした。  それから、トス回しでもしようと輪になった矢先に、前半の30分が終わってしまったので、後半のテニスチームが集まるグラウンドへ移った。  シングルス三組とダブルス一組からなるテニスには、五人のメンバーがいる。  前半の女子たちがネットを張ってくれたようで、コートは二面とも使える状態になっていた。  その片方で、(あずま)日向(ひなた)がたらたらと打ち合い始めていた。彼らはさほど仲がいいようにも見えないが、気心の知れた雰囲気がある。  ぼんやりと首を巡らせた橋崎は、空っぽのコートの脇で一人、フードの下にヘッドフォンを嵌めて座り込んでいる神戸に、仕方なく声をかけた。  単体で過ごしている神戸の姿は今まで見たことがなかった。  けれど橋崎は、本来神戸とペアを組んでいるはずの余語(よご)の行方が、声に出して尋ねるほど気になるわけではなかった。
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