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そんな状態で律から「キリ!」と声かけられたのだ。
昔と同じような呼び方で。
「ひ、ひぃぃ、ひさしぶりだね」
私は声がうわずっていた。
律はキラキラしていて、もはや直視できない。
「元気?看護師でがんばってるんだってな。安藤から聞いたよ」
安藤は高校のクラスメートだ。
「うん。ちょっ…、夜勤明けで見せられる顔じゃないから…」
私は律のまぶしさと、自分の現状に対する恥ずかしさでうつむきながら返事をした。
律は笑いながら
「がんばってるんだなぁ。俺は今こっちに住んでいないんだけどまたいずれ会おうぜ。」
「えっ?」
思わず顔を上げた。
すると律と目が合った。
付き合っていた頃のような優しい眼をしていた。
「じゃぁな!」
笑顔でそういうと手を振りながら車を走らせて行ってしまった。
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