202人が本棚に入れています
本棚に追加
それから二人でこの6年余りをどう過ごしてきたか、スマホの中の写真を見せ合ったりしながら話をした。
私はレストランでも話した様に勉強と仕事に一生懸命だった話を、律はフランス修行中の苦労話を面白おかしく話してくれた。
(私と違う年月を過ごしてきたんだね。少し寂しいけどそれがあって今の二人があるんだよね。そして私は律のことがまた好きになって…)
すると並んで座っていた律が私の方に向き合って言った。
「キリ。俺はコンビニの前でキリに会った時心臓が飛び出るくらい驚いたんだ。高校の時のキリのままだったから…」
(えっ?そうなの?びっくりしてたなんて微塵も感じなかった)
律は続けた。
「でもその後、二次会で会った時に俺は司会をしながらキリを見ていたんだ。そして思った。違う、キリは俺がいない間にしっかりとした大人の女性になっていたんだと。そしてまた惚れ直したんだ」
「律…」
「一度はキリに辛い思いをさせた俺を受け入れてくれてありがとう」
「律、私も律に二度ぼれしてたんだよ。最初の時から…」
「キリ…」
いつの間にか律の顔が近づいてきて柔らかい唇が私の唇に重なった。
少し長めのキスをした後に律は私に言った。
「キリ、その…えっと…」
「律、私も……」
二人で照れ笑いしてしまったがそのまま別の部屋へと移動した。
最初のコメントを投稿しよう!