触れたい

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 懐かしい律の体温。  高校の時、私たちはお互いが初めて同士だった。 そして今また、大人になった私たちは二度目の初めてを迎えることができる。 なんて幸せなんだろう。 でも高校の時とは違う。 十代にありがちな未知な世界への好奇心が混ざっているのではなく、心の底から律を感じたい、律と一つになりたい。 私たちは早る気持ちを抑えるようにゆるりと抱き合った。 抱きしめられると律の厚い胸板と広い肩幅を感じる。 仕事で付いたのだろう。大人の男の人の身体だ。 私は抱きしめられ律の体温を感じただけで、その…身体の準備が整ってしまった。 (律は…律はどうなんだろう。久しぶりの私を見てガッカリしないかな。) だが、そんな不安はすぐに消えた。 私を見る律の熱い瞳が近くにあったから。 薄暗い中、律と私の息遣いが響く。 律の唇は優しく私の身体の上を転がっていく。 この優しさがもどかしく、でも心地いい。 「…あっ、ん、律…」 「キリ…きれいだ」 律に見つめられるだけで泣きそうになる。 「あぁ、ん…はぁ…」 「キリっ…好きだ…」 「律、私も…」 お互いの体温が同じになった。 「ッ、く……キリ…っ」 「あぁ…っ…」 心が満たされた幸せな時間。
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