10/21
前へ
/125ページ
次へ
「私には、初めてだったんです……全部……」 私は北海道から大学に通うために東京に上京してきた。 隼斗君は同い年で同じ大学に通っていた。 隼斗君は背も高くて、顔も整っていたから、女子から凄くモテていたし、彼は東京の人で田舎人の私には最初は遠い人だった。 そんな彼に大学二年の時に告白された。 まさか私を選んでくれるとは思わなくて、驚きながらも頷いた。 それから私達は付き合い始めた。 この茶色い髪も彼が勧めたから染めた。 私には初めての彼だった。 全部の初めてを彼に捧げた。 だから、簡単に終わらせられるわけがない。 「それに彼からメール来たでしょ?話がしたいって。きっと別れ話だ」 「まだ、分からないです……」 「別れなかったら、また同じ目に遭うよ。そういうことをするやつはまた同じことをする」 蓮水さんはどんどん追い込む言葉を投げる。 涙は止まらない。 「きっと私に、魅力が無いからいけないんです……」 それでも私は彼を庇ってしまう。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

136人が本棚に入れています
本棚に追加