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「私は隼斗ーーんんっ!」
「その名前を出したら許さない」
言葉を出そうとするが、また私の唇を自分の唇で塞ぐ。
蓮水さんは何度も私の唇の上を啄む。
隼斗君の名前を出させないためか、蓮水さんの唇が私の唇から離れてくれない。
それどころか、私の口腔に彼の舌が入り込み、歯列をなぞり始めた。
私に声を出させない。
いや、私も出せなくなっている。
口腔を蹂躙する蓮水さんの舌に頭がジンとして力が入ってくれないから。
彼の熱い吐息が私の口の中に溢れる。
その時、プチ……と音が聞こえて、トロンとしていた瞼を慌てて持ち上げた。
蓮水さんが私のブラウスのボタンを外し始めていることに気付いたから。
流石にもうこれ以上はダメだ。
彼を止められなくなる。
「だ、だめっ!私は隼斗君が好きなの!」
私のブラウスを掴んでいる蓮水さんの手を掴んで必死に止めた。
熱を孕んだ瞳と視線が絡む。
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