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「何があったの?」
蓮水さんは頬杖をつき、前髪をサラッと揺らして、私の顔を覗きこんだ。
彼の優しい声に促されるように私は口を開いた。
「最近すれ違いばかりだから、サプライズで隼斗君の家に行ったら、部屋でまさかの裸の女性と抱き合っている場面にかち合ってしまったんです……」
蓮水さんに話したら、あの映像がフラッシュバックして、苦しくて涙が這い上がる。
「それは真っ黒だな」
涙が溢れないように奥歯を噛み締めて堪えている私に、目を見開きながらサラッと追い討ちをかけた蓮水さん。
それに涙がついに溢れ出て、カウンターに突っ伏すと「うわぁあん!」と恥も外聞もなく泣き喚いた。
「で、君は彼氏を知っているこのバーに愚痴りに来たってわけね」
「正解ですっ!」
突っ伏したままでいると、優しく私の頭に温かい大きなものが乗っかった。
きっと蓮水さんの手だ。
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