1、異世界で再会?

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 丸暗記しただけなのがバレバレな棒読みでした。  この後も、一言二言と台本通りの詞を召喚主の少女ことファナリア・テセラ・ネスハ・キュルメーラ王女──貴樹君と同じくこの後で、教えてもらいました──と、勇者の貴樹君は交わしました。それで、召喚の儀は終了となり、貴樹君に事前に伝えた事よりも詳細な事情を話すため場所を移動することと相成ました。 「先ずは、ユーウ、この度の勇者様のお迎えと説得の任、ご苦労様でした」  移動した先は絢爛豪華に装飾された会議室と思われる一室。  其処に到着早々、王女様はコスプレ少女ことユーウ・シュウ・ツベクート──貴樹君たち同様に移動中に教えてもらいました──ちゃんに先の労いの言葉をかけたのです。  それから、勇者である貴樹君に詳細な事情が語られました。  その後、再び場所を移動して、貴樹君に勇者の能力と名前はまんま『勇者の剣』が与えられ、此処に“対魔王討伐用勇者・貴樹”がこの世界カドゥール・ハアレツに誕生したのです。  ちなみにボクには、召喚時に自動的に付与された、言語と文字を脳内で自動翻訳する素敵能力だけでした。  以上、ダイジェスト版のテンプレだった召喚直後の展開でした。  ──はい? それだけか、って? お前を異世界召喚に巻き込んだ一人目の少年はどうしたか、ですか?
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