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「今度は呪詛も喰らわずに連携バッチしですね、ガメッツさん」
「おうよ。言ったろ、借りはキッチリ返すって」
「ええ。確かに、返してもらいました」
いやはや、一時はどうなるかと思いましたが、ガメッツさんが落下してきたボクを見事にキャッチしてくれました。
おかげで、これといった怪我もなく、無事に床に着地します。
手にした剣には既に刃は無く、柄も握る部分を残して綺麗さっぱりと分子結合が解除されちゃってますね……。ただ、幸いに握っていた手が分解されているという事はなく、手に嵌めているロンググローブもほつれ一つありません。これも、ジャ
ーケン氏の防護魔法のお蔭なのでしょうね……きっと……。
『──おのれ、おのれおのれ、オノレ、オノレオノレおのれオノレ…………オノレッ!! 雌ガキ、テメェーだけは何が何でも絶っ対ー、殺す! 取り殺してくれるッ!!』
「──っ!?」
「あんだ!? あの気色悪りーのは?!」
突然、これまで一度も姿を見せることの無かった《妄執のニーショ》が、歪に歪んだ悍ましい姿を顕し、ボクに憎悪の怨言を吐いて迫ってきます!
しかし、
「──往生際が悪いですよ、《妄執のニーショ》」
それに待ったを掛けたのは、サーハ君。堆く積み上がっている財宝の山から飛び降りて、《妄執のニーショ》を縦に一閃!
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