106人が本棚に入れています
本棚に追加
「“コレ”って、ボクが思っていた以上に物が収納出来るのですね……」
「──ちょっ!? 待てよ、嬢ちゃん! まさか、ソレは?!」
「──え?! 姐さん、ソレを何処で──?」
今度はボクがみんなに腕輪が見えるよう、腕を見せます。
「コレはこの国──フンドゥース王国の王様が「旅の荷物は意外と重くなるから、コレに収納するといい」って仰って、貸してくれたんです」
ボクがガメッツさんの言った“亜空間倉庫”を所持している理由を話します。
「……マジかよ……此れじゃ、お宝を山分けするときにピンはね出来ねーじゃねーか……」
ガメッツさんの零した呟きを、ボクは聞かなかったことにし、
「──そういえば、財宝が見付かった場合のボクたちの取り分は四割でしたよね?」
「ええ、姐さんたちの取り分は四割っす……けど……」
「オーケー。では、先にボクたちの取り分を取らせてもらいますね」
ボクはそう宣言して、亜空間倉庫を作動させます。
「試作型次元跳躍システムに接続。亜空間ゲート形成完了後、“この場にある財宝の四割を収納”」
音声で指示を入力すると、腕輪から数ミリ空中の空間にホログラム・ディスプレイが出現して、そこに『コマンドの受け付け完了。作業開始』と表示されます。
すると、腕輪に付属している無数の球が分離して、各々が自動で空中を飛び交い、財宝の山にスキャン用のレーザー光線を照射していきます。
「なあ、嬢ちゃんよ。嬢ちゃんの腕輪から飛び出したあの小っこい球は何をしてるんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!