106人が本棚に入れています
本棚に追加
音には人一倍敏感なランテ君がサーハ君の言を否定します。そして、特定した音源の場所を視線で指します。
ボクたちもランテ君に続いて部屋の天井を見上げると、先程から断続的に続く爆発のような音が響く度に、天井には亀裂が入っていき、それに伴って欠けた天井の欠片が少しずつ量を増しながら降ってきます。
「おいおい、まさか、天井裏でバケモノ同士が喧嘩してるんじゃねーだろうな……?」
「どうでしょう? ……ただ、いい事の前兆でないことは確かです」
ガメッツさんが零した不安の呟きに、ボクも不安の籠もった言葉を返します。
やがて、天井全体に亀裂が入りきり、そして、
「──!? 天井が崩落するっす!! 全員、退避っす!!」
ランテ君の指示が飛び、ボクたちは部屋の入り口付近から通路の中ほどまで全速力で退避。それと同時に、背後では──
──ドーン!! ガラガラ……、ドドドドーン!!
崩落した天井の破片が次々と床に落ちてぶつかる音が響きました。
崩落音は十秒ほど続きましたが、やがて、崩落の音は止み、ボクたちは部屋の方を恐る恐る振り向くと、警戒心をもって注意深く天井の破片が落ちて様変わりした部屋の中を観察します。
そして、そこには瓦礫の中に立つ人影が一つ確認できます。
最初のコメントを投稿しよう!