106人が本棚に入れています
本棚に追加
「だがよ、オレも鬼じゃーね。クソ坊主が一言も発せずに黙って飲み食いできるなら、参加させてやってもいいぜ?」
「…………わ、わかった、善処する」
「善処するだけじゃ、困るんすよ。もし、何か発言して場の空気を乱したら、即刻、追い出すっすからね?!」
「…………は、はい、分かりました」
それから、さらに少し、ガメッツさんたちと貴樹君たちは言葉を交わすと、ガメッツさんに先導されて、貴樹君たちはボクたちが座っている奥のテーブル席へとやって来ます。
「おい、見ろよ。第三王女様と魔王を倒す為に異世界からやって来た勇者が、御子様の新たな偉業達成の祝いの席に馳せ参じて来られたぞ!」
「マジかよ!?」
「おー、本当だ!」
途中、貴樹君たちの素性を知っている人達がざわめき起ちますが、なんだか漏れ聞こえる会話の内容を聞くに、何かボクとしてはビミョーな違和感を覚えるのですが、祝いの席ですので深く考えるのは止めておきましょう。
「平野さん、今晩は。御相伴に与ります」
「今晩は、貴樹君、王女様、ユーウちゃん、…………それと、メンド少年」
「今晩は、ですわ」
「今晩は」
「なあなあ、キミってさ、オレっちらと同じ十代半ばだろ? 酒なんて飲んじまってて、見た目と違って、不良なんだな」
最初のコメントを投稿しよう!