エピローグ

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「はい、現在の自分の上司が円さまのことを“様”付けでお呼びしている以上、部下である自分が以前のように“さん”付けで呼ぶ事は失礼に値しますので、はい」 「そうだったんですか……。っていうか、現在の上司ってことは所属部署が変わったんだ」 「はい。現在、自分は先日までの暫定的な円さまの護衛ではなく、正真正銘、円さま専属の護衛です! えへへ……、これで自分は、もう、円さまだけのです♪」 「──へ??」 「アイナ・ガーディトン、公務中の私語は慎みなさい!」  アイナちゃんがおかしな事を口走ったところで、彼女の後方から凜とした声が響き、彼女を窘めます。 「は!? と、とんだ、失礼を致しました!」  叱責の声にアイナちゃんは姿勢を正すと、彼女は洗礼された動きで場所を空けてフンドゥース王国軍式の敬礼をとります。  アイナちゃんが場所を移動したことで、先の彼女の後方から聞こえてきた声の主の姿がボクの眼に入ります。  そこに居たのは──、 「──ファナリア王女殿下!?」  ──そう、そこに居たのはこのフンドゥース王国の第四王女様で、勇者である貴樹君の召喚主でもある、ファナリア・テセラ・ネスハ・キュルメーラ王女。  更に、ファナリア王女の後方には、フンドゥース王国軍の元帥にして騎士団団長とこの国の政を取り仕切る首席宰相、それと、お供の連れの兵士や従者の方々が、位の高い人と謁見するときのように片膝をつき頭を垂れています。しかも、その頭が向いている対象はあろう事か──ボク?!
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