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「お久し振りです、円様」
「……え、ええ、お久し振りです、ファナリア王女殿下」
そう簡素な挨拶を交わすと、ファナリア王女は徐にボクの前まで進み出ると、他の人同様に片膝をつき頭を垂れます。それに先んじてアイナちゃんもまた片膝をついて頭を垂らしており、この場で頭が上がっているのはボクだけに!?
はて? コレは一体……なんのご冗談で──?
状況を飲み込めないボクを余所に、事態はそれが当然であることに進行していきます。
「私こと、ファナリア・テセラ・ネスハ・キュルメーラは父であるフンドゥース王国国王陛下より、異世界からの客人にしてシュモネス教の最重要人物のお一人であらせられる神降ろしの御子様の接待役という栄職を賜り此処に罷り越した次第です。────」
──ホント……これは……なんなんでしょうか……?
──あれから暫く、儀礼的なことが続き、漸く終わると、国のお偉いさんとお供のお連れの人達は帰って行きました。
そして、家の玄関の前に残っているのは、当然ながら家の住人であるボクと、専属の護衛になった騎士のアイナちゃん、それと──
「円様♪ これからはずーっと、ご一緒ですね♪」
──ファナリア王女。
さらに、
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