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「これより、御子様と姫様の身の回りのお世話をさせていただく──せーのっ」
「「「メイド三姉妹です」」」
「アタシはイド」
「メドはメドっていいます」
「メイちゃんです♪」
「掃除、洗濯──」
「食事にその他家事全部に──」
「夜伽のお相手も、何でも御座れな──」
「アタシたち──せーのっ」
「「「メイド三姉妹♪」」」
三人の侍女。彼女たち“三姉妹”と名乗ってはいますが、どう見ても血縁はありそうにありません。
「……えーっと、ファナリア王女──」
「──円様、もう公式の場ではないのですから、ファナリア王女だなんて他人行儀な呼び方はせず、ファナとお呼びください♪」
そう言って、ファナリア王女──ファナは顔を仄かに赤らめ意味深な視線を送ってきます。
──なんか、ボクが旅に出る前の彼女とはまるっきり別人な感じがします。
ですが、一先ずは先の尋ね事を訊きます。
「……えっと、ファナ、この娘たちは?」
「はい、彼女達は先程彼女達自身が自己紹介した通り、円様とわたくしの身の回りの世話をしてくれる娘達ですわ」
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