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──はぁ~……。
それてしても、まだ昼すぎだというとのに、一日中動き回ったみたいにどっと疲れました。
ボクはエントランスホールの応接セットの手近なソファーに身をボフっと沈めます。
「御子様、お茶を淹れてまいりました。どうぞ」
「え? あ、ありがとう」
そこへタイミングよく、いつの間にやら着替えたのか、外で見たときとは違った“ザ・メイドさん服”に身を包んだメイちゃんが、お茶を差し出してくれました。
ボクは受け取ったお茶の香りを楽しみ、そして、一口啜ります。
「……あ、美味しい。メイちゃんって、お茶を淹れるの上手なんだね」
「はい♪ お誉めいただき光栄です♪」
使われている茶葉は、昨日ボクたちが買ってきた物。なのに、自分で淹れたのとメイちゃんが淹れてくれたのでは風味も味も全然違います。
「御子様、時間がなかったのでこの様な物しか作れませんでしたが、昼食を作ってまいりました」
そう言って、台所からやってきたのはこれまたメイちゃんと同じく“ザ・メイドさん服”に身を包んだイドちゃん。彼女が押すカートの上にはいっぱいのサンドイッチを載せた大皿が乗っており、応接セットの所まで来ると、彼女はひょいとサンドイッチがいっぱいの大皿を手にして、それを応接セットのテーブル上に置きます。
「どうぞ、お召し上がりください。お口に合うとよろしいのですが……」
ボクは取り敢えず自分の一番手前にきている一つを手に取り、口へと運びます。
──もきゅもきゅもきゅ……ゴックン。
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