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5500℃-04
くそったれめ……、呼吸も満足にできない痛みに耐えながら春日井麻里は毒づいた。
枕の下の手錠やテーブルの裏に留められたコルト・ガバメントも、人類純血保護機構の工作によるものだった。さらにはゴールデン街で一子を殴った男も軍事実行部隊の一人である。
すでにホテルの通路、両隣の部屋にも安原一子をカバーする人類純血保護機構の部隊が待機している。
「もうあなたは死ぬ、さっき吸血させてやったのはせめてもの餞別になるのかしらね。やっと隙を見せてくれてありがたかったけど」
麻里は裂帛の気合いを込め、ベッドの桟に繋がれた手錠を引っ張った。
ギリギリと金属音がする。そうして、桟を足でもベッドの外へと外そうと力を込めはじめた。ピンと張っている手錠の鎖。麻里の裸体に汗が噴き出す。
──がらん──と、ベッドの桟が外れた。
と同時にいやな音がして、麻里の右手首はありえない角度に曲がってしまった。
それでも雄叫びをあげ、解放された麻里は安原一子へと飛びかかった。
一部始終を見ていた一子は片膝を立て、コルト・ガバメントを両手で把持していた。
発砲音が三発聞こえ、全弾が春日井麻里の腹部に命中し、彼女の身体は壁に叩きつけられる。
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