Chemical-09

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Chemical-09

「わたしは、鞠佳とエッチしたいな」  鞠佳は顔を真っ赤にした。 「女の子どうしのほうがずっといいんだから」  実際に、ラブホテルにチェックインして、鞠佳はその言葉に(いつわ)りがないのを実感した。はんなはとくに肩の周辺が好きで、右の乳房から腋の下を通り、肩まで舌と唇で緩急自在にのが上手だった。  はんなはもともと住んでいたアパートへ戻った。ロルカへ出勤する前に。もちろん暴力をふるう彼氏を叩きのめした用心棒である鞠佳を連れて。  幸い、彼氏はいなかったので別れの挨拶をちらしの裏にさっとしたため、はんなはスポーツバッグとリュックに必要なものだけを詰めてアパートを後にした。  その日は日射しが強く、はんなは心配していた。 「ごめんね、やっぱり吸血鬼にこの西日は(つら)いでしょ」 「なんともない、っていうと嘘になるけど、あたしは吸血鬼っていってもクォーターだから、いろいろな吸血鬼らしさがそんなに強くないのよ。日本生まれだし、聖書もロザリオも十字架も怖くないし」 「聖パルーシアはカトリックの学校だものね」とはんなは微笑んだ。
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