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女の家へ繋がる道を歩いてる間、俺たちは殆ど無言状態だった。
黙々と歩くだけだ。
ただ、案内して貰わねえと分からねえから、『真直ぐ』とか『そこ右』とか道案内の指示のための会話はした。
.....これって会話と言うのだろうか?
それにしても....けっこー遠いな。
かれこれ15分以上は歩いてる気がする。
「お前の家、けっこーあるな」
そう女に問い掛けた時―――
「....ここ」
女が指差し自分の家を示した。
「ここ?」
確認する俺に女はコクリと頷く。
その建物は2階建てのシンプルなアパートだった。
全体的に白がベースにになっていて2階へ上がる階段の脇には植物が植えられていて春なのか小さな黄色い花を咲かせていた。
ちゃんと管理行き届いてんなぁ....
最近じゃ、いい加減な所が多いと聞くが、この女の管理人(オーナー)はちゃんとしてるらしい。
「私の部屋、2階だから....」
女を先頭に2階へ上がる。
階段を上がってる最中、女はミュール、俺はブーツのせいかカンカンと良い音がする。
そして、階段を登り切り、手前から3番目のドアの前で女は止まった。
“203号室”か....
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