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....と思ったら、女のマグカップは可愛いキャラクター入りのちょい派手な感じのモノだった。
「お客様用は白なの....」
読心術かよっ!?
女は俺の心を読み取ったかの様に口を開いた。
「そうか....」
ドキリとしながらも俺は頷く。
マグカップを手に取り熱さを唇で調節しながらコーヒーを一口....
ゴクリと喉を鳴らし飲み込むと....
ハァ....コーヒーの少し苦味のある味と香り、そしてカフェインが何か落ち着くぜ。
「インスタントでごめんね....」
そんな俺を見て女がポツリと言った。
....てか、俺、謝られる様な顔してたか?
「え?....いや、別に構わねえよ。家じゃ俺もインスタントだ」
「そ、良かった....」
女はニッコリ笑った。
「(な、何だ....笑うとけっこう可愛いじゃねえか)」
「この部屋すごくてビックリしたでしょ?」
マグカップに2口ほど口をつけた後、女は何故だか部が悪そうに聞いて来た。
「あ?....ん~~~、まあ最初はちょっとビックリしたけどな....」
「....だよね」
「ああ....」
「何てゆうか....正直、男はみんなよっぽどじゃないと引くと思うのよね....でも、私はこういうのが好きだから仕方ないってゆうか....」
「うん....」
「あ、でもね、こんなんじゃモテないと思ってまともなインテリアにしようと思ってやってみた事もあるんだけど....けどやっぱり落ち着かなくて、けっきょく元に戻しちゃったの....」
「そうだったのか....」
「う、うん....って、ゴ、ゴメン!こんなの初対面の人に話す事じゃないよね....」
俺は別におかしな態度を示したわけじゃねえんだが、女にはそんな風に感じたのか焦り始めた。
「い、いや....別に謝る事なんてねえよ。悪い事してるわけじゃねえしよ....それにどんな理由があっても趣味は人の自由だしな」
何だよ、俺まで焦っちまうだろ。
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