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「返してよ~~!!」
届かないと分かっているはずなのに女は諦める気配はなく、何とか取り替えそうと頑張っている。
「....大声出すわよ!―――早く返さないと大声出すからっ!!」
最後の手段とばかり女はそう言って俺を下からキッと睨み、少々涙めで脅迫して来やがった。
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「運んでやる」
俺は目の前....つっても目線はかなり下だが、睨み涙めの女に向かって無表情でポツリ言った。
「....はい?」
突然の俺の台詞に女の動作がピタリと止まり、俺を見上げたまま眉間にシワを寄せ反応した。
「運んでやる」
同じ表情で再度繰り返す俺。
「....はい?」
女も同じ表情で再度繰り返した。
「運んでやるって言ってんだよ」
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何だこの間は....
「アンタ....何言っちゃってんの?」
まあ、お前の反応が正しいわな。
「だから家まで運んでやるっつってんだ!」
「??....家まで?」
「ああそうだ」
「....流行のナンパ?」
「はぁ!?」
「アンタまさか....そうやって親切な振りして私の部屋に上がり込んでヘンな事する気でしょ!!」
「あぁ!?!?」
「冗談じゃないわよ!!私は騙されませんからねっ!!」
「何いってんだお前!?」
「騙されないっ!!」
完全に変態扱いされている....
「危なっかしくて見てらんねぇんだよっ!!」
はいっ!俺の本音でた。
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