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僕は血の繋がった姉の事が大好きだ。
大好き過ぎて、今はもう「恋」から「愛」に様変わりしている。
そんな僕の、姉にかける「愛」は偉大だと改めて知る。
こんな行動をとる自分の心はチクリとも何にも痛んでいないのだから。
「焼きカレー、美味しいね」
「でしょ?すっごく美味しいから、僕も時々ここまでドライブして食べに来るんだ」
「えー?博多からここまでそこそこ離れてるでしょう?」
「美味しいからね」
「相変わらず食に貪欲ね、太ちゃんは」
「まぁね」
今も、飲食店の窓から望める橋を視界の端で感じながら「橋に架かっているワイヤーは何本使われているのだろう?」という事をぼんやりと考える。
「太ちゃんのおかげで私も食欲湧いてきた!バナナのデザートも食べちゃおうっと!」
「そうこなくっちゃ♪僕も花ちゃんに『付き合う』よ♪」
無邪気に微笑む姉を愛で、メニュー表を取り出し、ほんの些細な抵抗代わりの言葉遊びをしてみると
「っ……」
花ちゃんは一瞬だけ驚いた表情を見せ
「太ちゃんの胃に負けないぞー♪」
すぐに「姉」の顔に戻していた。
「ふふ」
《完》
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