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カフェに入ると香子に席を勧め、レジに並びに行った。
「カフェラテで良かったですよね。」
「ありがと。」
長い付き合いになってきているから、香子の好みも分かっている。
カフェラテを受け取った香子の表情を見る限り希望通りだったようだ。
「さて、お嬢様。進捗状況を伺っても?」
「合コンで見つけてないのは、丸わかりでしょ。今、あなたとここにいるんだから。」
「そうですね。しかし、まぁ…すっかり庶民ぽくなりましたね。お嬢様と近しい者じゃなければ、あなたが高階香子だと気付かないでしょうね。」
「そうね。あなたが近しい者に入るかは、悩むけど。」
俺は入るだろう?
ん?そうか?
「そのくらいの方が、これから苦労しませんよ。いままでは世間知らず過ぎたんですから。」
「まぁ、あなたのおかげで結婚前にいい経験ができているわね。」
「まだ諦めていませんか。」
「もちろんよ。あと2ヶ月もあるんだから。」
「たった2ヶ月で結婚に漕ぎ着ける相手がいるといいですね。11月30日には戻られるのは確定でいいですよね。ひとりかふたりかは、あなた次第ですが。」
「わかっているわよ。ところでお父様は元気?」
「お嬢様に会えないから、寂しがっていますよ。」
「お嫁に行けば、同じなのに。」
「そこは社長、分かっていないんですよ。なんたって社長ですから。」
「相変わらず、はっきり言うわね。」
久しぶりに楽しい時間を過ごせた。
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