秀介 お姫様に出会うまで

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電車の中で今日の香子のことを思い出していた。 自分で生活する事を覚えて、しっかりと地に足がついたようだ。 ふわふわしたところがないのは、つけ込まれる心配がなくなり、良かったと思う。 これなら、さっきのやつとうまくいけばいっきに11月末までに彼氏を社長に紹介できる可能性があるな。 それなら余計なことはせずに離れた場所から手を貸さずに気持ちだけ応援してやろうと決めていた。 だったんだが、あいつには婚約者がいたようで、香子は約束の日、ひとりで自宅に戻ることになった。 迎えに行くと無理に明るく振る舞う香子に応援なんてしなきゃ良かったと後悔しながら、送り届けた。 少し経ったころ、香子はたった一晩、抱かれて妊娠していることが、わかった。 何やってんだよ。ちゃんと避妊しろよ。
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