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帰りは途中から合流した秀介の車で帰る。
歩けない距離でもないけど、私が妊娠してから秀介も宙くんや晴香さんも過保護で、むしろママの方が優しくない。と言うか甘やかすなと周りに言っていた。
「一叶が生まれる時も俺は過保護だったぞ。」
秀介は、私が微妙に思うことを言うんだ。
それは私に対して?ママに対して?
秀介が私を大切にしているのはわかっているのに、一度刺さった棘は忘れた頃に存在を主張して苦い思いを噛み締める。
ママだって秀介だってこだわってないくらいの淡い思い出のはずなのに。
こんなんじゃ、ベビちゃんにも良くないのに…
「一叶?」
「秀介、今日はくっついて寝たい。」
「甘えん坊だな。」
「秀介を感じていたいの。」
「それって誘ってる?まぁ無理のない範囲内で一叶の希望には喜んで。」
やっぱり秀介は優しい。
秀介が私のことを愛してくれているのに、私がこだわりを無くせないのは、まだ自分に自信がないからなのかな。
ベビちゃん、元気に生まれて来てね。
あなたをちゃんと産んであげられたら、少しは成長できて自信つくかな。
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