秀介 お姫様に出会うまで

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「やはりこちらでしたか、お嬢様。」 口角を上げるだけの笑みを浮かべる。 「な、なんでここがわかったの。」 「お嬢様、家出に社長の家族カードを使い、さらにクインホテルをご利用されたら…」 世間知らずのお嬢様は、家出中に父親のカードや知っている場所は利用しちゃいけなかった事を学習したようだ。 「香子、そんなに笠松くんが嫌なのか。将来、笠松グループのトップになる優秀な男らしいぞ。それに年だって香子の7つ上とちょうどいい。」 「お父様、そんなにおすすめするならお父様が結婚すればいいじゃない。」 「いや、私には愛する百合子がいるし。」 目の前で繰り広げられる親子げんかに残業手当よこせと思いつつも漫才か?と首を捻りたくなった。
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