秀介 お姫様に出会うまで

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「私の大学時代の友人、島本つぐみと同じ黒川工業営業課の浅田さんと高橋さんでーす。」 柴原の彼女、勝山絵里子のざっくりした紹介で合コンは始まった。 「はじめまして、高橋香です。よろしく…」 俺の目の前に座る女が、初対面のフリをして挨拶してくる。 髪は短くなっているし、以前とは違いファストファッションの店で買ったと思われる普通の服装に、一瞬別人かと思ったが、こちらを見る目が物語っていた。 こちらも同じように挨拶する。 「高階商事秘書課の川田秀介です。よろしく。」 まだ、合コンレベルで大丈夫か? 社長のところに連れて行く期限を考えると相当、厳しいと思うぞ。 「川田さんは、なぜここに。彼女いないんですか。」 しかし香子は、他のやつと話せばいいのに俺との会話を続けた。 それなら、こちらも…とつい口が悪くなる。 「えぇ、社長秘書をしていると社長だけでなく、お嬢様の事までお世話する事がありましてねぇ。デートする暇もなかったんですヨォ。」 「それは、大変ですねぇ。おほほほほ。」 やはりこいつは、生意気だ。
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