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お願いして引いたくじ引き。番号のとおり移動すると、となりにはルミちゃんが座っていた。
「よろしくね、たっくん。あれ、たっくんの耳たぶ、昨日よりもずっと大きい!」
ルミちゃんと話すことができて、たっくんはとてもとても嬉しかった。
「耳たぶ大きくしてくださいってお願いしたんだよ。まだまだ、大きくなるよ」
でも、ルミちゃんは寂しそうな顔をした。
「ちょっと、大きくなりすぎだね。わたし、前の耳たぶのが好きだったかな」
たっくんは、心がずきゅーんと打ち抜かれたような気持ちになった。たっくんは自分の耳たぶをつまんでみる。耳たぶはふにふにとパン生地のようにやわらかく、触っていて気持ち良い。しかしたっくんは元の長さの耳たぶが恋しくなってきた。
次の日。たっくんは朝起きるとまたまたびっくり! 昨日肩までだった耳たぶはなんと胸のところまで伸びていて、女の子が前にたらす三つ編みみたいになっていた。
「あらぁ、たっくん。とうとう耳たぶが胸まで来ちゃったわね」
お母さんはコロコロ笑った。
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