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目覚めて
頭痛と共に目が覚めた。自分がどこにいるのかわからない。目だけであたりを見回したが、周りが暗くてよく見えない。
手がうまく動かせない。後ろ手に縛られている。椅子に座らされ、背側に腕を回した状態になっているようだ。
どうしてこんなことになっているんだ? 背すじが寒くなり、恐怖がわいてくる。汗が顔を伝った。いったい誰が? なにも思い出せない。思い出そうとすると頭がずくずくと痛む。
聞き耳をたてて、あたりの音を探ってみるがとくに物音はしない。今は自分以外には人はいないようだ。
しかし、自分を縛り付けた何者かが必ずいるはずなのだ。誰かはわからないが、そいつがいないうちに抜け出さなくては。
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