ザ・イベント

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とある惑星… ある1人のヒューマノイド型宇宙人が息を引き取った。 その亡骸から朧気なエネルギーの玉が飛び出し、まばゆい光を発したと同時に急浮上 天高く舞い上がり 瞬時に空間をジャンプした。 俗にいう魂 エネルギーの塊だ 「お疲れ様でした またの体験お待ちしております」 そんなアナウンスが流れ 出口から続々と現れる魂のお客さん達 いや~ おもしろい人生だった う~ん つまらなかった 魂により… その満足度によって伴う発光度が明らかに見てとれた。 「え~ 只今 惑星 ンジャンジャ 560年待ちです 手続きを省くためあらかじめ設定内容を考えておいて下さい」 係員と思われる魂が行列の最後尾で案内している 入口には行列をなす魂のお客さん 何やら受け付けを終え、次々と中に入っていく ここはテーマパーク あらゆる惑星の体験が出来る大人気な遊園地 こんな体験型テーマパークとは違い我が家は暇だ… 家にいれば何でも瞬時に思い通りになってしまうし、何だって瞬時に知れてしまう 何でも思い通りになり 苦悩 不自由は無い…一方感動や感激も無い 家には何でもあり、何も無い… 豊かしかなく平和しかない… 愛と幸せしかない… そう… 何でも好きなように望み通りが続くと… やる事は無く暇になる… やがて退屈となる… 帰ってもどうせ暇… また不自由さを味わいたくなる… だからこのテーマパークは大人気なのだ このテーマパークで大変さを求め引っ切り無しに無限の魂達が集ってくる またどっかの星でも体験してから帰ろうかな… そんな事を思う魂の前に 「え~ 只今 大盛況、大好評につき待ち時間 560億4000万年です」 最近出来たばかりのアトラクション 惑星 地球があった。 あまりに過酷な世界 厳しい設定ルールにどんな魂をも うならせる大人気目玉アトラクションだ とんでも無く辛い世界… でもホログラムとしてはとても美しい自然 人気過ぎる為 生き物も多様 まさに誰しも体験したいと思う生物の楽園… 地球  だが途方も無い順番待ちだ いつになるやら 地球は諦め 違う星にしようとした時 ある魂が声をかけてきた 「体験したい? 地球」 「え? う うん… 体験したい」 「できまっせ 裏口入場できまっせ ジャジャーン この転生ペアチケットでなぁ」 「……それって禁止ルールじゃ」 「じゃあこの列並ぶ?」 560億年待ち 「うっ…… とてもじゃないが…」 「でしょう 正規ルートじゃいつになる事やら どうする? 一緒に転生でもしてみるかい?」 「え?」 「割り込み入場だよ すぐ入れまっせ ついてきなさい」 何だか怪しげな魂の誘いに乗り、ついて行った先 「ようこそ お待ちしておりました」 そこは見るからに怪しげな受け付けだ 「これを」 2枚のチケットを差し出した。 「はいはい ペアチケットですね ではっ早速転生手続きを行います」 「双子で 僕は支配者役 こっちは庶民で  しかも飛びっ切り悲惨で過酷な人生を宜しく」 「え?」 「それとスペシャルな共感機能 夢での共有機能オンでお願いね」 「かしこまりました お双子希望で共感機能オン、夢共有システム有りですね 繋がりはどちらかお一人様になりますが」 「あ それは僕で」  「かしこまりました お生まれ後は 別々ですね?」 「どうゆう事?勝手に…」 「辛くて苦しい経験を望んでるんでしょ?」 「そうだけど」 「この地球なら存分にそれが味わえるって話しさ しかも手続きが終わればすぐにゲームに入れる」 「……」 「僕は裕福かつ支配者側の経験がしてみたくてね でも支配されてる側の立場も味わってみたい そこで一つ条件がある 君には直に庶民側を経験して貰い その味わった辛い経験 悲しみ 苦しみの気持ちを 僕も少し共有したい どちらも味わう事が出来る裏技なんだよ」 「そんなの禁止ルールじゃん」 「みんなやってるよ 退屈な毎日 刺激が欲しいなら地球はもってこいな それだけの条件で経験できるなんて ラッキーでしょ どうする? 安い取引だと思うけど」 正規ルートで並べば560億年後… このチャンス… 逃す手は無い… 「分かった それでいいよ 地球で遊びたい」 「よしきた では交渉成立 これで宜しく」 「かしこまりました それでは転生手続きに入る前に お客様 とても良いタイミングで生まれようとしております 地球は3次元領域から5次元領域へとアセンションを果たしました それにより まもなくイベントが行われようとしております 只今人間界ではcovidと呼ばれるウイルス騒ぎで世界は大混乱してますよ まぁ イベント前の茶番劇なんですが 大いに恐怖と不安に包み込まれているようです」 「ビッグイベントだって やったな」 「それでは転生プログラムの詳細設定をはじめさせていただきます」
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