26人が本棚に入れています
本棚に追加
/315ページ
「もういいですか」
「ああうん、いいよ、はい」
そういえば、と言わんばかりの表情で私の腕を離した会長は未だにニコニコしていてなんだが気持ち悪かった。
「…それじゃ」
「はーい、告白頑張ってね」
…チョコあげるのは同性の先輩だから告白でないんですけど、ということは面倒臭いので言わないまま、その場を立ち去った。
ー…それから、明らかに会長に意識されてるのは気づいていた。
今までなら見かけても私なんて気にもとめなかったのに、見かける度にヒラヒラと手を振ってきたり、異様な回数目が合ったり。
1回だけ校門のところで鉢合わせて、駅まで一緒に帰らされたこともある。
そんな日々がバレンタインから約ひと月続いて春休みに入り、会長のことなんてすっかり忘れていた新学期に、そう。
会長権限で生徒会役員に指名されたということなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!