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本命がいる彩香と違って特に作る相手がいないのに彩香のチョコ作りに付き合わされた私は、中学からの知り合いでお世話になっている女の先輩、悠莉先輩にチョコをあげる気でいた。
悠莉先輩は3年生でもうすぐ卒業してしまうし、今日以降は自由登校になってしまうから、ちゃんと挨拶できるのは今日が最後だと思ったからだ。
バレンタインの次の日から自由登校だなんて、学校側も仕組んでるなあ、私立だからかなあとぼんやりと思った。
「じゃあ私彼氏待ってるから先いくね!くるみは?」
「悠莉先輩に教室で待ってもらうように連絡してあるから大丈夫。行ってきな」
「おっけ!私この後そのまま部活だから帰ってていいからね!」
もし部活がなくてもチョコ渡したあとは彼氏と帰るんだから、どうせ私1人じゃんかと思ったけど口には出さず、彩香の言葉にそのまま頷いた。
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