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きっとすごい勇気を出したんだろうなあ、と名前も知らない彼女に少しだけ同情した。
彼女の背中を見送って、さっさと生徒会室から立ち去ろうとした瞬間、会長が生徒会室から出てきた。
ー…先輩だからあんまり廊下で会うこともないし、こんな近くで会長見たの初めてかも。
ほんとに綺麗な顔をしているなあと思う。
サラサラの黒髪、切れ長の瞳、高い鼻。
そりゃ女の子からモテるわなぁなんて思いながら動けずにいると、会長と目が合って。
「…ごめん、俺好きな子以外から貰わないと決めてるんだ」
そう、苦笑いされて。
…あれ、私ほんの数十秒前に同じようなセリフ聞いた気がする。
全く状況が飲み込めなくて、一瞬固まっていると、会長の視線が私の手元にいったのがわかった。
ー…もしかして、私が会長にチョコ渡しに来たと思われてる…?!
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